広島に来る外国人旅行者のほとんどは、平和記念公園と宮島を一日で回って、その日のうちに次の街へ移動します。
行程としては間違っていません。ただ、広島で過ごす時間としては短すぎます。そして広島で案内するということには、他の都市にはない性質があります。
平和記念公園を案内するということ
先に、この話をします。
平和記念公園と原爆資料館は、案内する側がいちばん言葉を選ぶ必要のある場所です。国籍によって、旅行者がその場所に持ち込む感情はまったく違います。
無理に説明役を引き受ける必要はありません。展示は展示が伝えます。歴史の解説をするために、あなたがそこにいるのではありません。
あなたにできるのは、その街に今住んでいる人として、一緒に歩くことです。復興した都市の上を歩いているという事実は、隣に住んでいる人がいるだけで、伝わり方が変わります。
知らないことは知らないと言ってください。自分の言葉で話せる範囲を超えないこと。これは案内の質を下げません。むしろ誠実さとして伝わります。
宮島は、時間で別の場所になる
宮島に来る旅行者の大半は日帰りです。昼に着いて、鳥居を見て、夕方のフェリーで帰ります。
その時間帯の宮島は、人でいっぱいです。
日帰り客が帰ったあとの宮島は、まったく違う場所になります。島に泊まる旅行者は少なく、その選択肢があること自体を知りません。
さらに、大鳥居は潮の満ち引きで見え方が変わります。満潮なら海に浮かび、干潮なら歩いて足元まで行けます。どちらが良いという話ではなく、まったく別の体験です。潮位表を見て「明日は午前中が満潮です」と言える人がいるかどうかで、旅行者の一日は変わります。
これは検索すれば出てくる情報ですが、検索するには「潮で変わる」ということを先に知っている必要があります。
広島風お好み焼き
鉄板の前に座って、焼けるのを待つ。この待ち時間までが体験です。
大阪のお好み焼きとの違い、麺が入ること、キャベツの量、焼く順番。旅行者は「お好み焼き」という一つの料理だと思って来ます。地域で別物だと知ったときの反応が、案内していていちばん面白い部分です。
広島は、思われているより広い
尾道、竹原、しまなみ海道。広島を拠点にすると行ける範囲は、地図から受ける印象より広くあります。
しまなみ海道は自転車で瀬戸内海を渡るルートで、海外のサイクリストにはよく知られています。広島に来る旅行者のなかに、このために来ている人が一定数います。
一泊で帰るはずだった旅行者を二泊に変えられるかどうかは、そういう選択肢を知っている人がいるかどうかで決まります。
広島で案内できるもの
- 平和記念公園を、街として一緒に歩く
- 宮島の、日帰り客が帰ったあとの時間
- 潮位に合わせた大鳥居の見方
- 広島風お好み焼きと、その地域差
- 尾道、竹原、しまなみ海道への行き方
- 流川あたりの、観光客のいない飲み屋
制度の確認
資格は要りません。2018年1月施行の改正通訳案内士法により業務独占規制が廃止され、通訳案内士の資格がなくても報酬を得て外国人観光客を案内できます。「全国通訳案内士」と名乗ることだけができません。
副業として行う場合、会社員なら給与以外の所得が年間20万円を超えると確定申告が必要です。判定は売上ではなく、必要経費を引いた所得で行います。20万円以下でも住民税の申告は必要です。
プロフィールの作成は無料です。広島に住んでいて、宮島の潮の時間を知っていて、平和記念公園を一緒に歩ける。それは、今の広島に足りていないものです。
Frequently Asked Questions
平和記念公園を案内することに責任を感じます。
無理に説明役を引き受ける必要はありません。展示は展示が伝えます。あなたにできるのは、その街に今住んでいる人として一緒に歩くことです。知らないことは知らないと言ってください。自分の言葉で話せる範囲を超えないこと。それは案内の質を下げません。宮島は日帰りで見られるのに、案内する意味はありますか?
あります。大鳥居は潮の満ち引きで見え方が変わり、満潮なら海に浮かび、干潮なら歩いて足元まで行けます。潮位表を見て「明日は午前中が満潮です」と言える人がいるかどうかで一日が変わります。日帰り客が帰ったあとの島も、まったく別の場所です。広島は一泊で通過されるのでは?
多くはそうです。だからこそ尾道・竹原・しまなみ海道まで足を延ばす選択肢を知っている人に価値があります。しまなみ海道は海外のサイクリストによく知られていて、そのために来ている旅行者もいます。広島で案内するのに資格は必要ですか?
必要ありません。2018年1月施行の改正通訳案内士法により業務独占規制が廃止され、資格がなくても報酬を得て案内できます。「全国通訳案内士」と名乗ることだけができません。
