訪日旅行者の案内を副業にする、という話をすると、ほぼ全員が最初に「英語が話せないので」と言います。
しかし訪日旅行者の国籍を見ると、上位を占めているのは韓国、中国、台湾、香港といったアジア圏です。英語圏からの旅行者は、割合としてはそこまで多くありません。
一方で、案内する側の供給は英語に偏っています。需要と供給がずれているのは、英語ではなく中国語と韓国語のほうです。
供給が薄いという意味
英語で案内できる人は、すでにそれなりの数がいます。そこに加わると、比較されるのは英語力と経験です。
中国語や韓国語で案内できる人は、それに比べて明らかに少ない。同じ街で、同じ時間を使って、競合が少ないほうを選べるなら、そちらのほうが合理的です。
旅行者から見ても事情は同じです。母語で相談できる相手は、探しても簡単には見つかりません。見つかれば選ばれます。
リピーターが求めているもの
台湾、香港、韓国からの旅行者には、日本に何度も来ている人が多くいます。
初回で行く場所——浅草、清水寺、道頓堀——はすでに済んでいます。三回目、五回目の旅行者が探しているのは、ガイドブックに載っていない場所や、地元の人が普通に使っている店です。
これはロアビの形と正確に一致します。名所を説明する仕事ではなく、自分が普段行っている場所に連れていく仕事だからです。リピーター率が高い市場ほど、この働き方の価値が上がります。
該当するのは誰か
中国語や韓国語が使える人は、思っているより広い範囲にいます。
- 日本に住んでいる中国語・韓国語の母語話者
- 留学や駐在の経験がある人
- 家族や配偶者が話す環境で育った人
- 大学で専攻した人、日本語学校や語学学校で教えている人
- 華僑・華人のコミュニティにいる人
「仕事で使えるレベルではない」と思っている人が多いのですが、必要なのは通訳の水準ではありません。店で注文する、道を説明する、今日の予定を相談する——生活の言葉で足ります。
繁体字と簡体字は分けて書く
プロフィールを書くときに、ひとつだけ実務的な点があります。
台湾と香港の旅行者は繁体字、中国本土の旅行者は簡体字を読みます。どちらも「中国語」ですが、読む側の体感はかなり違います。自分がどちらを書けるのか、あるいは両方いけるのかを明記しておくと、相手が判断しやすくなります。
韓国語の場合はこの区別がないぶん、単純です。
プロフィールに書くこと
言語は、書いていなければ存在しないのと同じです。
- 話せる言語と、その程度を具体的に(「日常会話」「商談は難しい」など)
- 繁体字・簡体字のどちらに対応できるか
- その言語で案内できるエリアと、得意な分野(食、買い物、夜、子ども連れなど)
「英語も少し」と併記しておくと、受けられる幅は広がります。ただし主軸は中国語・韓国語に置いたほうが、探している人に見つかります。
資格は必要か
不要です。2018年の法改正で、通訳案内士の資格がなくても有償でガイドができるようになりました。これは言語を問いません。
詳しくは通訳案内士の資格は必要?2018年の法改正で変わったことに書いています。
まとめ
英語が話せないことを理由に見送っている人が多いのですが、この市場に関しては前提が逆です。
訪日旅行者の多数派はアジア圏から来ていて、その言語で案内できる人は足りていません。英語で競争するより、母語で選ばれるほうが早い。
Frequently Asked Questions
英語が話せなくても訪日旅行者を案内できますか?
できます。訪日旅行者の上位を占めるのは韓国、中国、台湾、香港といったアジア圏で、英語圏からの旅行者は割合としてはそこまで多くありません。中国語や韓国語で案内できる人は英語に比べて明らかに少ないため、競合が少ない状態で始められます。どの程度の語学力が必要ですか?
通訳の水準は必要ありません。店で注文する、道を説明する、その日の予定を相談する——生活の言葉で足ります。旅行者が求めているのは通訳ではなく、その街に住んでいる人です。繁体字と簡体字はどちらを書けばいいですか?
台湾と香港の旅行者は繁体字、中国本土の旅行者は簡体字を読みます。どちらに対応できるか、あるいは両方かをプロフィールに明記してください。読む側にとっては体感がかなり違うため、書いてあると相手が判断しやすくなります。中国語や韓国語での案内にも資格は必要ですか?
不要です。2018年の法改正により、通訳案内士の資格がなくても有償でのガイドが可能になりました。これは言語を問いません。
